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(無題)

 投稿者:O西  投稿日:2008年 6月27日(金)00時07分56秒
  通報 返信・引用
  ロクスケは、毎日、仕事場の割烹料理屋から、
自転車でやってきた。
昼どきと夜の客の合間、
15時〜16時ごろ。
自転車で校庭に乗り入れて、
でも、遠慮がちに、プールの横か、
門の手前あたりに、立っていた。
やがて、子供たちが集まってくる。
「ねえロクスケ、紙ちょうだい!」
ロクスケは、ポッケから、ちぎった紙片を取り出す。
不動産屋の黄色い広告のウラだったり、
スーパーのツルツルの紙の裏だったり。
その紙片には、
不思議な数字とマークがかかれていた。
その紙片を奪うように、子供たちがロクスケにむらがる。
紙がなくなっても、
こどもたちは「ちょうだい!ちょうだい!」
と言って、
ロクスケの服やズボンを引っ張った。
ロクスケは、困ったように、でもうれしそうに、笑う。
「ねえロクスケ、1たす1は?」
ロクスケは困ったように、うれしそうに、笑っている。
ロクスケの笑顔は、いつも困っているように、うれしそうに、見える。

そのうち、先生もやってくる。
先生も、ロクスケと笑い合っている。
夕日が沈むころ、下校時刻を知らせる「夕焼けこやけ」が流れると、
ロクスケは、自転車に乗って帰ってゆく。
よし、仕事だ。というように。

ロクスケ、
いまもロクスケらしく、自転車に乗っていますか?
学校には、入れないよね、きっと。
さびしい思いをしていませんか?
ごめんね。
あの頃ロクスケと遊んでいたこどもたちは、
パパやママになって、いま、いっぱいいっぱいなんだよ。
一部の、とんでもないヤツらのために。
だからロクスケ、もうちょっとだけ、待っててね。
ロクスケが、たくさんのこどもたちとともだちになれるように、
そんな日が来るように、わたしも、こどもたちも、がんばるから。
 
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