MIDSUMMER CAROL 脚本
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室外機から途中まで
投稿者:
じょなん
投稿日:2008年 5月28日(水)02時02分56秒
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返信・引用
翌朝、ロビーに滝田がいる。
そこに木之元が走りよってくる。
木之元 ねぇねぇねぇ、ちょっと聞いてよ、滝田トー。
滝田 何ですか、聞いたこともないあだ名でー。
木之元 それがね…昨日回ったのよ…。
滝田 何がですか?
木之元 室外機よ、ほらあの自転車置き場の横の。
滝田 ほぉ。
木之元 ほぉじゃないわよ。まぁ、私の聞いた話なんだけどね、あれって霊安室の空調なんだって。
だからあれが回るってことは誰か死ぬのよ。
滝田が笑い飛ばすと、木之元もつられて笑ってしまう。
木之元 何で笑うのよ、あんたは。
滝田 だってそんなの噂に決まってるじゃないですか。
木之元 だからそれはねー、
木之元が反論しようとしている所に虫かごを持った浅野が入ってくる
浅野 おはようございます。
滝田 (木之元を振り切って)先生、おはようございます。
浅野 そうそう、滝田さん、これこれ。
滝田 何ですか?これ。
浅野 クワガタです。はい、どうぞ。
滝田 あっ、どうも…。(クワガタをしぶしぶ受け取る)
龍門寺がロビーに入ってくる。
浅野 あっ、龍さんもこれどうぞ。
龍門寺 何やねん、これ。
浅野 クワガタです。
龍門寺 ク、クワガタ!?
浅野 今朝ね、山で捕ってきたんですよ。(虫のパックを龍門寺に差し出す)
龍門寺 おおきに。もらっときますわ。
木之元 そういえば先生。掲示板のサマークリスマスって、あれ何なんですか?
浅野 あぁ、あれですか。サマークリスマス。
毎年お芝居やるんですけどね、みなさん手伝ってもらえます?
滝田 サマークリスマス?
浅野 いや、医院長がね、オーストラリアの医大で勉強してたもんで、クリスマスは夏にやるものだ、って聞かないんですよ。
で、キリスト様には悪いんだけど、全然違う日にサマークリスマス。
滝田 あ、そういうことっすかぁ。
大貫が小走りでやってきて、舞台をあちこち走りまわる
大貫 パコは?パコはどうした?
木之元 パコ?
大貫 あの子だ、あの子に会いたいんだ。
木之元 いや、あの子はあんたに会いたくないと思うけど?
浅野 大貫さん。
大貫 あ、先生。今日はパコはどこにいるんだ?
浅野 大貫さん、パコはいつでもこの病院にいます。
大貫 パコー!パコー!!
パコ (パコがやってくる)呼んだ?
大貫 あ、パコ。おじさんを知ってるか?おじさんは誰だ?
大貫 パコのほっぺをさわろうとする
それを見た龍門寺は、急いで止めようとする
龍門寺 おっさん、ふざけんなや。
浅野 (龍門寺を止めながら)龍さん、大丈夫ですから。
大貫 (パコに)頼む、思い出してくれ。
滝田 (浅野に)パコちゃんの病気のこと話してないんですか?
浅野 話しましたよ。まぁ、ちょっと見ててみませんか。
大貫 おじさんを思い出してくれ。
大貫 パコのほっぺをさわる
パコ おじさん…昨日もパコのほっぺにさわったね。
大貫 あぁ、こうしてな。お前さんのほっぺにさわったよ。
パコ うん。
大貫 おじさんは大貫だ。
パコ 大貫?
大貫 あぁ。
パコ おはよう、大貫。
大貫 おはよう、パコ。
木之元 どういうこと?
龍門寺 覚えられない子、ちゃうんか?
浅野 医学っていうのはいつまで経っても不完全なんですよ。
大貫 本はどうした?
パコ これ?
大貫 おぉ、これだこれだ。
パコ ママから貰ったの。あたし、今日お誕生日なんだよ。
大貫 そうか、おめでとう。
パコ ありがと。
大貫 なんだお前ら、おめでとうも言ってやれないのか。
浅野 おめでとう!
その他 (しぶしぶ)おめでとう。
大貫 ほら、みんなもあんなに祝ってくれてる。
パコ ありがとう。
その他 どういたしまして。
雅美登場
雅美 叔父様、何してらっしゃるんですか。点滴の途中です。
(浅野が引き留める)どうかしました?
大貫 パコ、この本は毎日読まないといけないんじゃないのか?
パコ そうだよ。よく知ってるね。ママがそう書いてる。
大貫 よし、それじゃあ今日から毎日、この本を読もう!
雅美 はい?
大貫 今日から毎日毎日、大貫と読もう。絶対に一人で読んじゃだめだぞ。
必ず必ず大貫と読もう。いいか?
パコ うん。
浅野 大貫さん。
大貫 さっき、何か光が見えたんだ。それで気がついたらこれを思いついてた。どうかな。
浅野 素晴らしい答えです。
大貫 そうかな?
浅野 はい!
パコ 大貫。早く読も!
雅美 ちょっと何その呼び方。
大貫 そうだな、どこで読みたい?
パコ うーん。あっちのお池!
大貫 よーし、行こう。
あの池にはなぁ、人の頭ぐらいあるタニシがいるんだ。
パコ 大貫獲れる?
大貫 さぁな。
パコ、大貫歩きながら去っていく
雅美 どうしたんでしょう。
浅野 さぁねぇ。
雅美 そういえば、さっきの人の頭ぐらいのタニシなんて話、聞いたことありました?
浅野 その話題は避けて。
堀米 虫の模型を持ってやってくる
雅美 ほ、堀米さん。おはようございます。
堀米 おはようございます。今日はこれはいらなさそうですね。
堀米 模型を手に去っていく
浅野 (堀米を追いかけながら)堀米さん、明日はそれ、いるんですか?
堀米さん、医者としてその用途を確認しておく必要があるんですけど。堀米さん。
―暗転
大貫とパコが歩いてやって来てベンチに座る
大貫 「意地悪ばかりのガマ王子。小さな小さなメダカの子供を、今日はいっぱいいじめました。
メダカの子供が大事に育てた、可愛い可愛い水草の花。
寒い時にも暑い時にも、メダカの子供が大事に育てた可愛い可愛い水草の花。
なのに、意地悪ガマ王子。泣いて止めるのも聞かないで、残らず食べたよ、水草の花。」
パコ メダカって…どんなの?
大貫 メダカを知らないのか?
パコ うん、お魚?
大貫 そうだ。小さなお魚だ。たぶんこの池にもいるだろう。
パコ どれどれ?
大貫 ほら、そこだ!
パコ あっ、いた!
大貫 「不思議や不思議。あら不思議。王子のお腹が光ってる。こいつはびっくり、ガマ王子。
自分のお腹が光ってる。どうしたものかとよく見れば、光っているのはお花だよ。
メダカの子供が大事に育てた、可愛い可愛いあの花だよ。」
パコ 食べたお花が…光るの?
大貫 あぁ、メダカの子供が大事に育てたから、そのお花には不思議な力が備わっていたんだ。
「どうしたんだろう、ガマ王子。これまで自分がやった事、壊したお家に食べた花、どれもが悲しくなってきた。どうしたんだろう、ガマ王子。涙がいっぱい出てきたよ。泣いた事など一度もなかった、バカで意地悪ガマ王子。だけどお腹でお花が光ると、涙がいっぱい出てくるよ。ごめんよ、みんな。ごめんよ、みんな。僕はとってもバカだった。どうしてなのかは知らないけれど、涙がいっぱい出てくるよ。今までみんなが流しただけの涙が僕から出てくるよ。」
パコ やっと気がついたんだね。
大貫 は、そうだ。
パコ 良かったね。
大貫 あぁ、そうだな。良かったな。
「ブゲゲゲゲー、ブゲゲゲゲー。沼エビの魔女が去っていく。お池のみんなは死んじゃった。
みーんなみんな、死んじゃった。ブゲゲゲゲー、ブゲゲゲゲー。許せない、許せない、許せない。
ザリガニ魔人を許せない。これまでいっぱい意地悪だった、そんなバカな僕だけど。これまでいっぱい酷い事した、そんな間抜けな僕だけど。これまでいっぱい酷いことした、そんな間抜けな僕だけど。許せない、許せない、許せない。ザリガニ魔人を許せない。」
パコ パコも許せないよ。
大貫 そうだな、絶対に許しちゃいかん。
「行くぞ!ガマ王子!負けるな、ガマ王子!」
パコ 負けるな!
大貫 「ザリガニ魔人のハサミのお陰で、体はすっかりボロボロだけど。勇気をあるだけ振り絞って、何度も何度も向かってく。」
パコ 負けるな!
大貫 「ごめんよ、みんな。ごめんよ、みんな。バカで間抜けで意地悪な、そんなそんな僕だけど。何かみんなにしてあげたくて、こうしてここまでやってきた。だけど強いよ、ザリガニ魔人。僕はそろそろ死んじゃうよ。けれどもな…、な…。」
大貫 胸を押さえて苦しがる
パコ 大貫、大丈夫?ねぇ、大貫!
大貫 あぁ、あぁ、大丈夫。大貫は元気だよ。
パコ 本当?
大貫 あぁ。
パコん ねぇ、大貫。続き、明日でいいよ。明日、また、ここから読んでくれたらいいよ。
大貫 いや、もうちょっとで終わるから。最後まで読んであげたいんだよ。
「ごめんよ、みんな。ごめよ、みんな。バカで間抜けで意地悪な、そんなそんな僕だけど。何かみんなにしてあげたくて、こうしてここまでやってきた。だけど強いよ、ザリガニ魔人。僕はそろそろ死んじゃうよ。けれども何度も立ち上がる。不思議な力がそうさせる。僕の心の片隅に急に生まれたこの気持ち。ごめんよ、みんな。ごめんよ、みんな。」
―暗転
ロビーに龍門寺、浅野、滝田、堀米、木之元がいる。
大貫 あの、みんなにちょっと聞いて欲しいことがあるんだがねぇ。
堀米 はんたーい。
木之元 聞いてからにしなさいよ。
堀米 聞く前に決めといた方が、議論は面白いんですよ。
滝田 そうですか?
堀米 私は断固反対する。
そんな無駄な道路建設が国民にとって何になるって言うんだ。 反対!
龍門寺 なんや、黙っとれ、おまえ。
堀米 すみません。
大貫 あのー、聞いてくれ。サマークリスマスのお芝居のことなんだが…。
(台本を配りながら)これをみんなに。
木之元 もしかして、これ台本?
大貫 そうだ。やってくれないか。
滝田 『ガマ王子vsザリガニ魔人』
大貫 どうかなぁ。
龍門寺 どうかな、ておっさん。出来るかい。出来る訳ないわ。
大貫 そこを何とか。
龍門寺 何ともならへん。何でおのれに仕切られなあかんねん。みんな腹立っとるちゅうねん、おっさんに。
虫良過ぎへんか? なんで今更お前の命令、従わなあかんのんじゃい。
大貫 決して命令をしている訳じゃない。お願いをして…
龍門寺 お願い?お願い、ゆうんは下手に聞いたりするもんじゃい。今までこっちから何かねごたか?
ねごてへん、ねごてへん。 ほな聞く必要ないわな。
大貫 わかっている。 だが、しかしだねぇ。あ…
大貫、胸を押さえて倒れる
龍門寺 何や。
木之元 うっそー。
浅野 動かないで、大貫さん。じっとして。
龍門寺 もうだまされへんぞ。お前、こんなんしてもな。こんなもん、お前…
木之元が龍門寺に駆け寄り耳元でこそこそ話を始める
龍門寺 何やねん。
大貫 確かに、確かにあんたの言うことは正しい。
こんな私に協力するなんて、そりゃ、不愉快な話だ。いや、けど…
龍門寺 何やねん、自転車置き場の室外機て。えー、ホンマか?! えー!
いやまぁ、そんな…室外機も回って?そんなもんがあるんやったら、まぁなぁ…。
大貫 何なんだ?
龍門寺 いやな、しゃーけどな、しゃーけどな。だいたいこれ、おかしいやん。
木之元 何が。
龍門寺 いや、皆出てるがな。
滝田 え、何かおかしいですか。
龍門寺 何がて。ほな、誰に見せんのん、お前。
滝田 ああ!
パコが通り過ぎる
龍門寺 ああ!
このあとのうまいつなぎ方が思いつかないので、とりあえず飛びます。すいません…。
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